言葉は誤解を与える

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言葉は誤解を与える

言葉と私024

高校3年の時、模試を受けました。
一緒に受けたクラスメイトがとても高い点を取り、志望大学の合格確率は90%、そしてこんなコメントが採点表に書かれていました。
「○○大学にはほぼ確実に合格します。もっと高いレベルの大学も視野に入れてください」
彼はとても喜んでいたので、それを僕に見せてくれました。
僕はこう言いました。
「これ以上いい言葉はきっともらえないね」
そしたら、彼は怒り出しました。
僕はすぐに理解しました。
「これ以上どんなにいい点を取っても、このコメント以上にいい言葉は、採点用のコンピューターからは出てこないという意味だよ」
彼の怒りは鎮まりました。
彼は「これ以上いい点を君は取れない」という意味に捉えていたのです。
互いに大学に入ろうと切磋琢磨しているという背景が生み出した誤解と言えるでしょう。


同様に、自分が意図していない意味が相手に受け取られるということが往々にして起こります。
それは、ある程度仕方のないことです。
クラスメイトのようにその場で怒ってくれれば、誤解を解く機会が与えられますが、ただ黙って話を聞かれてしまいますと、誤解されたままになってしまいます。
なぜ「こんなことを言うんだろう?」と思うような言葉を聞いたとき、「それはこういう意味ですか?」と聞くようにしましょう。
相手の言った言葉を、自分が間違って解釈しているかもしれません。
そう聞くことで、相手は間違った解釈を訂正する機会を得ることができます。


自分が言ったことに対して相手が間違った解釈をして、そのことに何も言われないと、間違った解釈が相手に残ることになります。
そのようなことがないように、自分から発する言葉は注意しましょう。
こういう恐れがあるからといって、何も言わなくなるのはもったいないことです。
では、言葉を発するとき、どんな注意をするといいのでしょうか?
まずは相手の反応を繊細にうかがうことです。
間違った解釈をしてしまったとき、自分を守るために相手を攻撃するようなことを言う人がいます。
それは不必要な争いを生んでしまうのでやめましょう。